敷地は関東平野の真ん中。
まちの面積の60%を農地が占め、市街化区域以外の全域が農業振興地域に定められ、豊かな自然環境が維持されています。
見渡す限り畑、というこの場所に、夫婦と3人の子供たちのための一軒家を計画しました。
ひろい平野の土地の一部をつまみ上げて出来たやまひだが、この家のバタフライ屋根と切妻屋根の成り立ちです。
山の連なりの隙間は、空と雑木林という両側の遠景を繋ぎ、
やまのふもとに穿たれたトンネルは、かたわらを流れる水路と田畑の近景を繋ぎます。
この家が建っても、この土地の風景に繋がりが途切れないということを考えました。
屋根同士のずれと、南北を貫く大開口、東西の光と風の抜け道、中央の吹抜が家の中で立体交差し、ひかりも風も交差する家になりました。
風だけでなく子供たちの同線も自由自在。
ゆるやかな階段や吹抜けを渡るブリッジ、スキップフロアでつながるバルコニーなど家じゅうをぐるぐる回遊することができます。
「家の中で遊んでいても、外にいるのと変わらず、元気に遊んでいる」
と、社会的に外に出て遊べない状況のさなかで引き渡した家での子供たちの様子を聞き、
この土地の環境のようにおおらかな家になっってくれたとかんじます。
敷地面積;359. 57㎡
建築面積:86. 26㎡
延床面積:129. 18㎡